第15回(2021年1月18日)
2020年度後期「芸術と人間」も今回で最終回です。みなさんお疲れ様でした。
スライド28で「モーション・キャプチャー」「フェイス・トラッキング」という技術について紹介しました。私の説明では分かりにくい部分もありましたので、次の動画を参考にしてください。PS4ゲーム『デス・ストランディング』のメイキング風景です。
DEATH STRANDING MAKING OF Trailer (2019) Norman Reedus, Mads Mikkelsen
授業スライドで言及したVtuberの1人、「バーチャルねこ」です。
【VCDR-0007】Virtual Cat / Warp Cat
ちなみに、この映像のように80〜90年代を思わせるチープな3DCG 、なぜか背景にあるギリシア彫刻、毒にも薬にもならなそうな、まるでホテルのラウンジに流れているような時代遅れ(っぽい)音楽など、ありがちなエフェクトやイメージをコラージュした「Vaporwave」と呼ばれる作品ジャンルが存在します。ここでは通俗性・ジャンク・チープ・模倣・ノスタルジック・ごた混ぜ…等の要素が一つの美的形式を形成していると言えるでしょう。
第13回(2020年12月21日)
モーツァルトの「トルコ行進曲」。曲名は知らなくても皆さんどこかで聞いたことがあるのではないでしょうか?
まずは標準的なテンポによる演奏を聴いたあとにグールドの演奏(解釈)を聞くと「同じ曲なのにこんなに違うのか」と皆さんも思われるのではないかと思います。
イヤホンやヘッドフォンで聴くと音楽の後ろに人の声みたいなものが聞こえますが、グールド本人の鼻歌ですので安心してください。
ベートーヴェンの『ピアノソナタ14番《月光》」の第一楽章。この曲も名前は知らなくても皆さんどこかで聴いたことがあるかもしれません。ちなみの私の年代では『太陽にほえろ!』という刑事ドラマ(1972-1986:日本テレビ系列)の次回予告でこの曲が流れると、次の回で仲間のうち誰かが殉職します。
Beethoven "Moonlight Sonata" (1 mvt.) by Claudio Arrau
文学的というかロマンチックな曲ですが、グールドが弾くと極めてシンプルかつ快速。人によっては「ドライな演奏」「即物的な演奏」、「ロマンチック?は?そんなこと楽譜のどこにも書いてないが?」的な演奏に聞こえるかもしれません。
L.V.Beethoven Moonlight Sonata in C# minor. Glenn Gould
このCDは木村拓哉と広末涼子が出ていたドラマの影響ですごく有名になりました。(と言っても25年ぐらい前の話ですが・・・)ジャジャジャジャーンで有名なベートーヴェンの交響曲第5番「運命」のピアノ編曲版です。
L.V.Beethoven 5th Symphony. Glenn Gould
グールドの代表的な録音の一つである「ブラームス間奏曲集」。エキセントリックで奇抜な演奏が多い彼の録音の中では、比較的リラックスして聴けます。
Intermezzi for Piano (Brahms) Excerpts - Glenn Gould
これもなかなか不思議な映像なのですが、グールドが老指揮者・音楽学者・作家(これらは全てグールドが演じている架空の人物)にインタビューしています。
1分20秒ぐらいから登場する「カールハインツ・クロップヴァイザー博士」は、前回のスライドにもな名前があったシュトックハウゼン(電子音楽の祖)のモノマネです。
Glenn Gould - Commercials for Musicamera (OFFICIAL)
動物にも音楽を聞く権利があるのではないか、ということで実際に動物園で行って動物たちの前で歌うグールド。 曲はマーラー作曲「魚に説教するパドヴァの聖アントニウス」。動物たちは迷惑そうな顔をしているようにしか見えませんが・・・。
第12回(2020年12月14日)
ここでは、ふだんのスライド資料+音声資料というやり方では紹介できない映像資料をご紹介していきたいと思います。もちろんそれぞれの動画を全部最後まで見る(聴く)必要はありません。雰囲気だけ掴んでください。
ジョンケージの「4分33秒」の実演です。
John Cage - 4'33" by David Tudor
リゲティの『100台のメトロノームのためのポエム・サンフォニック』吹奏楽をやっていた方々にはおなじみの、メトロノームを100台使った音楽作品です。ふつう、メトロノームというのは練習など演奏の前段階に使われる道具として認識されていますが、ここでは「楽器」として扱われています。
György Ligeti - Poema sinfónico para 100 Metrónomos
シュトックハウゼンの「ヘリコプター四重奏曲」・・・。マジか・・・。
Karlheinz Stockhausen "Helicopter String Quartet"
ジョンケージが「偶然性」にのっとって作曲した「易の音楽」です。なんだかよくわかりませんが・・・。
John Cage: Music of Changes (1951)
グレン・グールドが27歳のときの演奏です。自宅での練習風景です。歌いながら、身体をリズミカルに、時には旋回させながら弾くスタイルはグールド独特のものです。
この動画の2:00あたりで、どうしてもうまく弾けない箇所があって、一度立ち上がって窓際でその部分を声に出して歌い、戻ると今度はミスなく弾けるという場面があるのですが、個人的にはこのシーンが印象的です。
Glenn Gould practicing Johann Sebastian Bach's Partita No.2 in C minor, BWV 826 - HD 720p
コンサート・ドロップアウト(演奏会引退)を表明した頃に演奏したバッハの「ゴールドベルク変奏曲」
Glenn Gould - J.S. Bach "Goldberg Variations", 03.06.1964 (OFFICIAL)
彼の最晩年、1981年の演奏。曲は上の動画と同じくバッハの「ゴールドベルク変奏曲」ですが、ずいぶん印象が違います。
Glenn Gould - Bach - Goldberg Variations BWV 988 - Aria Da Capo